第22回日本更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会

学術集会開催にあたり ご挨拶

日本更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会の集会長を拝命いたしましたので、ご挨拶とともに抱負を述べさせていただきます。
過去の集会長は産婦人科関係の先生方でありましたが、多分それ以外の領域から集会長が指名されたのは初めてのことではないかと思います。私が歩んできた道をご紹介しながら、今回の学術集会のテーマ「高齢期の“老い”対策を考える 〜更年期から始まるNext Stageに向けて〜」に至った思いを述べたいと思います。

医学部卒業後、内科全般のトレーニングの後、循環器内科を専攻し、最終的に不整脈を専門としました。師事した教授が日本における不整脈の第一人者であったことから、英国と米国に留学して世界の不整脈をリードする教授に師事し、不整脈の臨床と基礎研究を行ないました。その業績により、米国、欧州、日本の各心臓病学会からフェローの称号が与えられました。大学に約17年間在籍した後、7年間過疎地の病院長を務め、救急から在宅医療まで実践し、50歳で開業しました。

この時、高齢社会を迎える日本では予防医学が益々大事になると考え、2005年に日本抗加齢医学会に入会し、究極の予防医学であるアンチエイジング医学を勉強し始めました。すぐにホルモン補充療法がアンチエイジングのキーと思い当たり、2007年に本学会に入会し、同時に男性に対するホルモン補充療法も必要と考え、日本メンズヘルス医学会にも入会しました。
2012年に本学会北海道支部を立ち上げ、年数回札幌で土日にかけ勉強会を開催し、2014年と2016年の7月の連休には「Summer Seminar in 北海道然別湖」を開催いたしました。

2013年に本学会学術集会のラウンドテーブルディスカッションで「男性更年期」を取り上げ、ベストラウンドテーブル賞を、18年には「アンチエイジングのキーはホルモン補充と考え実践」が評価され学会賞をいただきました。 「歳をとらない、歳のとり方」をモットーに、その基本は男女ともホルモン補充療法だと思って、第一線の臨床現場で実践してきました。(以上は本学会誌第22巻第2号pp.4-5に掲載)
さて、本学術集会のプログラム作成に当たっては理事・幹事、牧田委員長をはじめ学会実行委員会の先生方に大変お世話になりました。お陰様で聞き応えのあるプログラムができたのではないかと思っております。 このほかに6つのラウンドテーブルディスカッションがあります。
どうぞ積極的に学術集会にご参加ください。お待ちしています。

2024年6月

集会長

第22回日本更年期と加齢のヘルスケア学会
学術集会 集会長

満岡 孝雄
北海道支部会長/満岡内科・循環器クリニック院長

開催概要

名称
第22回日本更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会
会期
2024年10月27日(日)開催
開催テーマ
高齢期の“老い”対策を考える~更年期から始まるNext Stageに向けて~
開催方法
オンラインライブ発表+オンデマンド配信(11月5日(火)~11月30日(土))
主催
NPO法人更年期と加齢のヘルスケア
参加登録はこちら

プログラム

  • 開会の辞

    [スタジオ1] 
    8:50 ~ 8:55

    満岡 孝雄(日本更年期と加齢のヘルスケア学会 北海道支部会 満岡内科・循環器クリニック)

  • 学術集会長講演

    長寿ホルモン DHEA 補充で Next Stage を元気に楽しもう

    [スタジオ1] 
    9:00 ~ 9:30(講演 30 分)

    座長:太田 博明(川崎医科大学 産婦人科)

    演者:満岡 孝雄(日本更年期と加齢のヘルスケア学会 北海道支部会 / 満岡内科・循環器クリニック)

    閉経後の唯一のエストロゲンの供給源は副腎から産生されるDHEAです。DHEAがテストステロンを経てアロマターゼによりエストロゲンに変換されます。しかし DHEAも加齢とともに減少いたします。欧米ではGMS(genitourinary syndrome ofmenopause,閉経関連尿路性器症候群)の治療薬としてDHEA膣剤が使用されていますが、本邦ではまだ使用できません。女性の元気とやる気にも、テストステロンが関与していると思われますが、元気がなくなる高齢期には、DHEA補充も選択肢の1つかと考えられます。

  • 理事長講演

    ウイメンズヘルスに多大に貢献する腟内フローラ

    [スタジオ1] 
    9:30 ~ 10:30(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:小山 嵩夫(小山嵩夫クリニック)

    演者:太田 博明(川崎医科大学 産婦人科)

    【専門医機構単位申請】60 分

    2014年にGSM(genitourinary syndrome of menopause,閉経関連尿路性器症候群)の概念が提唱されました。約80%の閉経後女性が罹患し、その半数がQOLの低下に悩んでいるとされていますが、多くが未治療のままであります。本学会でも認識を深めたいと思っています。

  • スポンサードセミナー

    オンデマンド配信なし

    [スタジオ1] 
    10:40 ~ 11:40(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    久光製薬株式会社

    【専門医機構単位申請】60 分

  • 特別講演 1

    老いは克服できるか?

    [スタジオ1] 
    12:20 ~ 13:20(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:牧田 和也(牧田産婦人科医院)

    演者:中西  真(東京大学医科学研究所)

    【専門医機構単位申請】60 分

    ヒトの細胞は60回ほど分裂したら、それ以上は分裂できなくなります。分裂を停止した細胞は老化細胞になり除去されると思われますが、GLS-1(グルタミナーゼ1)酵素を大量に作りだして老化細胞は生き延びます。それだけではなく生き延びた老化細胞は炎症性タンパク質を分泌し、加齢による様々な疾患を引き起こします。最近、GLS-1阻害薬を用いることで老化細胞を除去し、体の若返りをはかることが報告されています。閉経は卵巣機能の停止によってもたらされますが、これに老化細胞が関係していないのか興味あるところです。

  • 特別講演 2

    メラトニンの新たな知見

    オンデマンド配信なし

    [スタジオ1] 
    13:30 ~ 14:30(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:吉形 玲美 (東京ミッドタウンクリニック / 浜松町ハマサイトクリニック)

    演者:服部 淳彦(立教大学 スポーツウェルネス学部 / 東京医科歯科大学)

    【専門医機構単位申請】60 分

    加齢とともに減少するホルモンの1つにメラトニンがあります。メラトニンは、睡眠を誘導するホルモンとして知られてきましたが、最近では寿命延長作用、記憶力の増強、血糖値の低下、強力な抗酸化作用などが知られるようになり、アンチエイジングのサプリメントとして注目を浴びています。

  • 教育講演 1

    更年期以降に注意すべき女性の疾患
    ー健康寿命の延伸を見すえてー

    [スタジオ1] 
    14:40 ~ 15:40(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:河端惠美子(SBC 東京医療大学 健康科学部看護学科)

    演者:野崎 雅裕(野崎ウイメンズクリニック)

    【専門医機構単位申請】60 分

    閉経後5〜10年で組織・臓器の老化は進み、皮膚や膣の萎縮、尿失禁などの泌尿生殖器症状、骨粗鬆症、動脈硬化症などの発症が高まると言われています。HRTを行うことで、これらの症状は先送りされますが、HRTに用いるホルモン量は性成熟期の数分の1であります。本来は更年期症状の改善のために用いられる量ですので、これらのホルモン量が老化予防にいつまで効果があるのか、また、HRTに用いるエストロゲン量を増やすことで老化予防のさらなる効果が発揮できるのか、あるいは乳がんリスクなどを高めるのか、この辺りを議論できればと思っています。

  • 教育講演 2

    抗加齢ビタミン NMN の現状と将来展望

    [スタジオ1] 
    15:50 ~ 16:50(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:髙橋 眞理(文京学院大学大学院 看護学研究科)

    演者:森田 祐二(医療法人社団愛生館 ホルムクリニック)

    【専門医機構単位申請】60 分

    今、注目を浴びているサプリメントとして NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)があります。体内で産生されている物質ですが、年齢とともに減少し様々な体調面の変化に関係していると考えられています。最近の研究では、長寿遺伝子群(サーチュイン)を活性化させることが確認され、若々しい健康の維持に関連した成分として注目を浴びています。

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  • 教育講演 3

    加齢性声帯萎縮症の治療戦略

    [スタジオ2] 
    14:10 ~ 15:10(講演 50 分 + 質疑 10 分)

    座長:岡野 浩哉(医療法人社団 飯田橋レディースクリニック)

    演者:渡邊 雄介(国際医療福祉大学東京ボイスセンター)

    【専門医機構単位申請】60 分

    加齢とともに声が小さくなったり、かすれたり、発声に関するトラブルは多くなってきます。声帯の筋肉を維持することは誤嚥などを予防するだけでなく、全身の健康にもつながっていそうです。声のエキスパートから声を老化させないための工夫も聞けるのではないかと楽しみです。

  • メノポーズカウンセラートークセッション

    北の国からメノポーズカウンセラーの熱い思いを全国に届けよう! 〜北海道支部の目指すところは〜

    [スタジオ2] 
    10:35 ~ 11:45(講演 15 分× 3 質疑応答 25 分)

    座長:高野ひとみ(MST( メノポーズサポートチーム ) / 株式会社ファンケル)
       加藤久美子(MST/KO CLINIC&Lab)

    学んで発信、ともに未来を紡ぐ

    演者:藤井  恵・吉田 友枝 (北海道支部オンライン勉強会企画委員 / 満岡内科・循環器クリニック)

    北海道支部勉強会を通して自分が今できることを見つける

    演者:田中 明子 (ウエルキー株式会社 京都)

    りんご教室Ⓡ“メノポーズ版”を作ってみんなに試してみた

    演者:山下まゆり (つみのり内科クリニック 鹿児島)

    北海道支部会は10数年活動してきました。コロナ後は支部オンライン勉強会を、昨年は2ヶ月に1回、第3土曜日14時から16時半まで、その後1時間の懇親会を開催してきました。北海道だけではなく、全国のメノポーズカウンセラーが参加してくれています。その中でメノポーズカウンセラーは多くの更年期に悩む女性に寄り添い、健康を取り戻すお手伝いをしたいと、各自トライされていることを知りました。北海道支部ではこのようなメノポーズカウンセラーの活躍をお手伝いできるような企画を組んできましたが、さらに充実させるために全国のメノポーズカウンセラーの皆様の声をお聞かせいただければと考えています。

  • シンポジウム

    老化はどこまで治療できるか? 長すぎる老後をどう生きるか?

    [スタジオ2] 
    12:20 ~ 14:00(講演 25 分× 3+ 総合討論 35 分)

    座長:越川 典子(ウェルネス&キャリア通信社)

       江藤亜矢子(MenoSmile)

    老化は治療できるかー最先端の研究から

    演者:河合 香織 (ノンフィクション作家)

    高齢女性にとっての幸福の条件

    演者:前野マドカ (EVOL株式会社)

    100歳になっても自分の足で歩くために知っておいてほしいこと

    演者:梶山 寿子 (ロコモジャーナリスト / 大阪経済大学)

    健康長寿を求めて活動してきた私たちに、このシンポジウムは、健康長寿と幸福を考えるきっかけを与えてくれそうです。白熱した議論が交わされそうな予感がします。

  • ラウンドテーブルディスカッション

    オンデマンド配信なし

    [スタジオ2] 
    15:30 ~ 16:50(各 80 分)

    ① 清田真由美(医療法人社団清心会 春日クリニック)
    ② 越川 典子(ウェルネス&キャリア通信社)
    ③ 野口 律奈(帝京平成大学 健康メディカル学部健康栄養学科)
    ④ 今野 和穂(湘南医療大学 専攻科)
    ⑤ 早川 庫輔(メディカルフィットネスViPro)
    ⑥ 斉藤 万奈(La Marna(ラマーナ))

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一般演題募集

学術集会テーマ「高齢期の“老い”対策を考える~更年期から始まるNext Stageに向けて~」または、本会の趣旨に沿った内容を募集します。

応募締切:2024年 9月2日(月)

送信先: menopause@ellesnet.co.jp

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メノポーズカウンセラー活動紹介
スライド募集

学術集会会期中に参加者に紹介するカウンセラーの活動紹介スライドを募集します。

提出締切:2024年9月6日(金)

提出先: 2018menopause.aging@gmail.com

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運営事務局

NPO法人更年期と加齢のヘルスケア 事務局
〒104-0061 東京都中央区銀座5-14-5 光澤堂GINZAビル7F 株式会社 朝日エル内
TEL:03-6264-1416 FAX:03-5565-4914
Email:menopause@ellesnet.co.jp